ブルゴーニュは2018年、2019年、2020年とワイン造りにおいて恵まれた年が続きました。
最新のヴィンテージである2021年と2022年についても気になるところですよね。
今回はドメーヌ・ディコンヌへ訪問し、当主クリストフ氏から彼のブルゴーニュワインのヴィンテージについて教えてもらいました。
ドメーヌ・ディコンヌはアメリカのワイン評論家マットクレイマーに、オーセイデュレスの3大生産者と言わしめる人気の生産者です。
(人気の生産者で入手が難しいつくり手ですが、
現在弊社では
「ムルソー・レ・ナルヴォー」
「ムルソー・クロ・デ・ルシェ」
「オーセイデュレス・プルミエクリュ・レ・デュレス」
の3アイテムを取り扱っております。)
2021年は難しい年と言われていますが、実際はどのような感じでしたか?
(クリストフ氏)
「知っての通り、歴史的な霜害の年で、白が特に打撃を受け、ナルヴォーは特に、被害が深刻だった。良い年の時は最大で19樽ほどできるが、2021年は4樽のみ。量的にはとても難しい。
2016年にも大きな霜被害がオーセイ・デュレスなどであったが、2021年は被害が広域で、かつムルソーなどの有名アペラシオンなどの被害が特にひどかった。
霜害対策として、ムルソーとオーセイ・デュレスの畑で深夜朝方にかけてロウソクを設置し、それらは一定の効果があったと思う。
それでも霜の影響が強すぎた。オーセイ・デュレスは50%減、ムルソーは70〜80%減。(具体的なそれぞれの本数については、瓶詰め前ということで聞けませんでした。)
一方でワイン自体の味わいや品質は素晴らしく、フレッシュさやミネラルが特徴的で、デリケートでエレガントな典型的なブルゴーニュを表現したヴィンテージ。赤に例えれば、2017年や2018年と似ている。」
・2022年の収穫状況はどのような感じでしたか?
(クリストフ氏)
天候としては、2020年とよく似ていて日照量が多く、暑い年。ただしワインの味わいやスタイルは少し違っていて、個人的には2022年がよりエレガンスさや、デリケートさがあり好み。
平均的な十分な収量を確保でき、ワイン自体の品質も素晴らしい。霜被害のアナウンスがあり、ロウソクを設置したが、結果として霜害はなく、とてもスムースな年であったことに満足している。
現在、栽培面で気を付けていることは?
(クリストフ氏)
認証取得に積極的というわけではないが、ずいぶん前から化学的な製品などはほぼ使用してなかったが、現行ヴィンテージに至るまでにさらに減少させている。
認証取得は考えていないが、畑や環境に関しては、配慮をしている。
現段階では「リュット・レゾネ」と言える。
また、SO2添加についても同様で、年を追うごとに減らしていっている。
貴重なお話しを、お忙しい中ありがとうございました!
生産者紹介
ドメーヌ・ディコンヌ
ライター 綿矢 菜美
ブルゴーニュ・ボーヌ在住
生産者の「今」を届けるべく、フランスを中心にヨーロッパ各地の生産者を訪問。日本未紹介の新しいワインも見つけます!