アルザスワインの生産者「エメシュテンツ訪問」訪問日:2022年7月12日

アルザス地方南部のコルマール中心地から車で15分ほどの場所。
アルザス特有のお洒落な家々を通り、到着するとご家族そろって出迎えてくださいました。現在は息子のマークさんを中心として姉のステファニーさん、お母様も引退されたとはいえ、今でも畑での作業などドメーヌを助けています。

現在彼らは14ヘクタールを所有しています。
所有する畑の一つは、グラン・クリュであるヘンクスト。
ヴォージュ山脈を背にして広がっており、日当たりがよく傾斜面の、グラン・クリュと納得できる素晴らしい立地で、ドメーヌの本拠地であるヴェトルスハイムやコルマールの街までが見渡せます。ビオ・ロジックを実施している畑には、季節により様々は植物の花が咲いており、トカゲなどの動物も見かけるそうです。

認証はまだ取得していないものの、ビオ・ディナミの様々な取り組みも実施をしており、マークさん曰くそれらは「ドメーヌが進化していくため、また最良のものを求め続けるため」とのことです。
アルザスのグラン・クリュといえば今までは白ワインのみに認証が与えられていました。
グラン・クリュの畑の一つであるヘンクストの畑には、樹齢約50年のピノ・ノワールが植えられておりましたが、これまではグラン・クリュと名乗るワインをつくることはできませんでした。ですが、エメシュテンツ達生産者の努力が認められ、今年からヘンクストの畑をはじめとして、ピノ・ノワールからつくられるワインが、グラン・クリュを名乗ることが可能になります。
最良の畑で良質なピノ・ノワールを造っていると信じてきた長年のファミリーの思いと訴えがついに実ったのです!グラン・クリュとしてふさわしいワインにすべく、丁寧な畑仕事をしておりました。


ワイナリーでお話ししていると、ファミリーの結束は強く、協力し合うとてもいい関係であることが伝わってきました。
最後まで丁寧に見送ってくださった、親切なエメシュテンツのみなさんでした。


ライター 綿矢 菜美
ブルゴーニュ・ボーヌ在住
生産者の「今」を届けるべく、フランスを中心にヨーロッパ各地の生産者を訪問。この8月にニュージーランドで剪定を体験。

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